5万円→15万円|講座のフロント商品とバックエンドの価格差の決め方

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この記事のまとめ

  • フロントとバックエンドの価格差に「正解の倍率」はありません
  • 先に決めるのはバックエンド。月の固定費と、受けられる人数の割り算で下限が出る
  • フロントの価格は売上ではなく、次に進む人の数で決める
  • 当社の料金も2段階(お試し初月5万円 → 本契約 月15万円〜)。理由は先に数字を見てもらうため
  • 単価が決まらないと許容CPAも決まらず、広告予算も決められない

「フロント商品とバックエンド、価格差って何倍が普通なんですか」
講座を運営している方から、この質問を受けることがあります。

調べると、10倍だ、20倍だ、という数字は出てきます。
ただ、その根拠をたどると実店舗の話だったり、個人講師1人の体験談だったりして、自分の講座に当てはめられません。
この記事では、倍率を探すのをやめて、2つの価格をどの順番で決めるかを整理します。

りょー|株式会社アウメンタ代表

りょー

この記事を書いた人

株式会社アウメンタ(Aumenta)代表。
無形商材スクール・コーチング事業者に特化した集客マーケ支援を提供。
支援事業者14社、累計広告運用額5,000万円超、平均ROAS 500%超。

広告・LP・LINEの導線を一気通貫で設計し、スクール事業者の集客を仕組み化するのが専門です。

フロントとバックエンドの価格差は、何倍が正解?

結論から書くと、倍率の相場は存在しません。
というより、倍率は結果として出てくる数字であって、決めにいくものではありません。

決まるのは2つだけです。
ひとつは、月の固定費を何人で割るか。もうひとつは、フロントに来た人のうち何人がバックエンドに進めばいいか。
この2つが決まると、価格は自然に置き場所が決まります。倍率は、あとから割り算して出てくるだけの数字です。

価格は「いくらに見えるか」で決めるものだと思われがちですが、実際は割り算で下限が決まります。決める順番は、バックエンドが先、フロントが後です。

先に決めるのはバックエンドの価格

値決めの記事でよく引かれるのが、実店舗のスクールを前提にした割り算です。
「販促の大学」というメディアのコラムでは、月間コスト30万円・目標生徒50人なら、受講料は最低6,000円という出し方を紹介しています。
固定費を、受け入れたい人数で割る。考え方としてはこれで合っています。

ただし、これは家賃と設備のある実店舗を前提にした計算です。
無形商材の講座は事情が違います。固定費は軽いかわりに、人数の上限が講師の時間で決まる。
つまり、割る相手が「席の数」ではなく「対応できる人数」になります。

実店舗型のスクール 無形商材の講座
固定費の中身 家賃・設備・人件費 ツール費・外注費・自分の人件費
人数の上限を決めるもの 席数・コマ数 講師が対応できる時間
価格の下限の出し方 月間コスト ÷ 目標生徒数 月間コスト ÷ 月に見られる人数 × 受講期間

計算例(説明のための例です。目安の数字ではありません)

月の運営コストが20万円、講師が同時に見られるのが10人だとします。
20万円 ÷ 10人 = 1人あたり月2万円。これが収支を割らない下限です。
6か月の講座なら 2万円 × 6か月 = 12万円。ここから下は、人数を増やすか、見る時間を減らすかしないと合いません。

この下限が出てはじめて、「いくらで売りたいか」の話ができます。
逆に言えば、下限を知らないまま他社の価格を見にいくと、根拠のない数字を自分の看板に書くことになります。

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フロントの価格は「次に進む人の数」で決める

フロント商品は、それ自体で利益を出すためのものではありません。
役割は、バックエンドに進む人を必要な数だけ通すこと。だから見るのは売上ではなく人数です。

選択肢は、だいたい3つに整理できます。

フロントの置き方 増えやすいもの 確かめること
無料(説明会・体験・個別相談) 申込数 当日来る人の割合と、話が通じる人が来ているか
少額(数千円〜1万円台) 参加する人の本気度 申込数がどれだけ減るか。減った分を上回る効果があるか
有料(本講座の入口として売る) フロント単体の利益 ここで満足して終わる人が増えていないか

どれが正しい、という話ではありません。
見るべきは「フロントに100人来たとき、バックエンドに何人進むか」で、その人数がバックエンドの目標に届くかどうか。
無料にして数が増えても、進む割合が落ちて最終的な人数が同じなら、無料にした意味はありません。

無料体験と有料体験の比べ方は「無料体験セッションに申込みが来ない理由」、体験から申込までの割合の見方は「体験レッスンの入会率は何%?大手7〜8割・個人5〜6割の目安と上げ方」で整理しています。

実例:当社の料金の並べ方

自分のところの話をしたほうが早いので、当社の料金を出しておきます。
売り込みではなく、段の作り方の実例として見てください。

段 内容 料金(税抜)
1段目 初回相談(30分) 無料
2段目 お試し伴走(初月) 5万円
3段目 伴走コンサルティング(本契約) 月15万円〜
実行メニュー 広告運用 広告費の20%(最低月6万円)

なぜこの並びにしたのか。理由は1つで、数字を見てもらってから決めてもらうためです。

初回相談では提案をせず、今の数字だけを聞きます。
お試しの1か月で、実際に導線を通して、弱いところを1箇所だけ直す。
そのうえで本契約に進むかを決めてもらう、という順番です。

ここで言いたいのは、5万円と15万円という金額のほうではありません。
2段目があることで、相手が「判断する材料」を手に入れてから3段目に進める、という設計のほうです。
高額なものをいきなり決めてもらうのが難しいなら、決めるための段を1つ挟む。これは講座でも同じです。

価格が決まらないと、広告予算も決まらない

値決めの話が集客とつながらないように見えるかもしれませんが、順番でいうと価格のほうが先です。

  • バックエンドの単価が決まる
  • 1件あたりに使える獲得コスト(許容CPA)が決まる
  • 必要な件数から、月の広告予算が決まる

この3つは一本の線です。
入口の単価が決まっていないまま広告を出すと、CPAが高いのか安いのかを判断する基準そのものがありません。
回収ラインの考え方は「ROASの目安はいくつ?講座・スクール広告の回収ラインを14社の実データで解説」、予算の組み方は「オンライン講座の広告費はいくら?予算別シミュレーションで適正額がわかる」にまとめました。

当社が支援してきたのは14社で、そのうち講座・スクール系は11件。
相談をいただく時点で「広告のCPAが高い」と言われることは多いのですが、単価と成約率を聞くと、そもそも高いのかどうかが判断できない状態だった、というケースもあります。

値段を上げる前/下げる前に見る数字

価格を動かしたくなったとき、先に確かめてほしい数字が2つあります。

  • 個別相談・説明会への予約率(フロントに来た人のうち、次に進んだ割合)
  • 成約率(相談まで来た人のうち、申し込んだ割合)

申込が伸びない理由が価格にあるとは限りません。
予約率が低いなら問題は伝え方の側にあるし、成約率が低いなら来ている人がずれている可能性があります。
どちらも価格をいじっても動かないので、先に分けて見ておく。値段の変更は、そのあとの判断です。

商品ではなく順番のほうに原因がある場合の見方は「コンテンツ販売が売れない理由|商品ではなく「売るまでの順番」を疑う」、申込を増やす手順は「オンライン講座の申込みを増やす4つのステップ|導線設計で成約率を劇的に改善する方法」が近い内容です。

よくある質問

値決めの相談でよく出る3つに答えておきます。

フロントは無料と有料、どちらがいいですか

バックエンドに進む人数で比べてください。
無料にすると申込は増えますが、当日来ない人や、そもそも買う予定がない人も混ざります。
有料にすると数は減るかわりに、来た人の温度は上がる。どちらが自分の目標人数に届くか、という比べ方になります。

分割払いは入れるべきですか

単価を下げずに申込の障壁を下げられるので、入れる価値はあります。
ただし、手数料をどちらが持つかで実質の単価が変わるため、下限の計算はやり直しておいてください。
回収が遅れる分、広告費を先に出すときのキャッシュの動きも変わります。

他社の価格は参考になりますか

「どのくらいの幅があるか」を知る材料にはなります。
ただ、他社の固定費も、講師が見られる人数も、こちらからは見えません。
見えない数字で割った答えを借りてくることになるので、自分の下限を出したあとに眺める程度が、ちょうどいい使い方だと思っています。

まとめ

  • フロントとバックエンドの価格差に、正解の倍率はない。倍率は結果として出る数字
  • 先に決めるのはバックエンド。月間コスト ÷ 対応できる人数 × 受講期間で下限が出る
  • フロントは売上ではなく、バックエンドに進む人数で決める
  • 当社も2段階(お試し初月5万円 → 本契約 月15万円〜)。判断する材料を先に渡すための段
  • 単価 → 許容CPA → 広告予算は一本の線。価格が決まらないと広告の良し悪しも判断できない

まずは、月の運営コストと、自分が同時に見られる人数を書き出してみてください。
割り算した瞬間に、今の価格が下限より上なのか下なのかが分かります。
倍率の話は、そのあとで十分です。

集客方法をどの順番で足すかは「講座集客の方法7つを比較|説明会・個別相談で売る講座が次に足すのはどれか」、外部に任せる場合の費用感は「スクール事業者が広告運用を外注するといくら?費用相場と「広告代行」では解決しない理由」を参考にしてください。
配信ツールの費用まで固定費に入れて考えたい方は「Lステップの構築費用はいくら?講座の単価から回収ラインを計算」もどうぞ。

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単価・申込数・広告費をうかがったうえで、次に手をつける場所をお伝えします。

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りょー|株式会社アウメンタ代表

りょー

この記事の執筆・監修

株式会社アウメンタ(Aumenta)代表。
無形商材スクール・コーチング事業者に特化した集客マーケ支援を提供。
支援事業者14社、累計広告運用額5,000万円超、平均ROAS 500%超。

記事内の支援事例の数字は、当社サイトで公開している実績に基づきます。
成果には個人差があり、成果を保証するものではありません。

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